千葉県議会 2022-06-16
令和4年_農林水産常任委員会(第1号) 本文 2022.06.16
梨の被害についての影響という御質問でございますけれども、先ほど諸般の報告の中で部長のほうからお伝えしましたとおり、6月8日の
調査時点で、本県の梨の
被害額は16億4,600万円と見込まれているところでございます。直近の令和2年の本県の
梨産出額は87億円でございますので、2割程度に相当しているということになりますけれども、令和2年は
日照不足により不作でございましたので、近年の平均的な梨の
産出額を見ますと、おおむね145億円前後というところになりますので、こちらと比較しますと
被害額は1割程度という状況でございます。
以上でございます。
◯委員長(
小池正昭君)
伊豆倉副
委員長。
◯伊豆倉雄太副
委員長 今回の
ひょう被害は、
ひょうという
特殊性で一部の地域、特に県全体ではなく
東葛地域が中心だと思います。そんな中、本県の梨の
産出額の2割程度というのは大変厳しい状況と考えます。年に1回しか収穫する機会がない梨では、来年の収穫まで収入を得られないため、被害を受けた農家においては収入が減少してしまう中、次年度の生産を維持継続するために必要な
運転資金の確保が必要と考えます。
そこでお伺いいたしますが、これだけの被害だと施設の復旧や当面の資金繰りが必要となる農家が出てくると思われるが、そのような農家に対してどのように支援をしてくのでしょうか。
◯委員長(
小池正昭君)
松田団体指導課長。
◯説明者(
松田団体指導課長) これまで
令和元年の台風のような大きな災害が発生した場合には、
施設復旧資金や
農業経営に必要な
運転資金の融通を円滑にするために、無利子の
災害対策資金による支援をしてきたところでございます。今回もそのような
当該資金による支援について、現在検討しているところでございます。
以上です。
◯委員長(
小池正昭君)
伊豆倉副
委員長。
◯伊豆倉雄太副
委員長 被害を受けた農家の経営の安定に支障を来すことがないように、一刻も早く
災害対策資金による支援を行っていただきたいと思います。
そして最後に、今回の
ひょう害のような
自然災害は今後発生すると思われます。また、
ひょう被害だけではなく、台風であったりとか、突風であったりと、いろいろな災害がここのところ激甚化しておると思います。
小池委員長の
予算委員会でもありましたが、やはりこのため
収入減少時に給付が受けられる
収入保険などの
セーフティネット制度の加入が私自身も重要だというふうに思っております。自らの経営を守る取組として多くの農家に活用してもらいたいと思いますが、
セーフティーネットへの
加入促進に向け、どのように取り組んでいるのでしょうか。
◯委員長(
小池正昭君)
松田団体指導課長。
◯説明者(
松田団体指導課長)
団体指導課です。
県では、
降ひょうなどの
自然災害への影響だけでなく、様々なリスクに対応する非常に有効な
セーフティネット制度である
収入保険の
加入促進を図るため、今年度から3年間、新たに
収入保険に加入する農家に対して、初年度の
保険料の一部を助成しているところでございます。今回の
降ひょう被害の発生を踏まえ、今後の
災害発生に備えて
収入保険に加入するよう、改めて
市町村と連携して農家に呼びかけているところでございます。
以上です。
◯委員長(
小池正昭君)
伊豆倉副
委員長。
◯伊豆倉雄太副
委員長 最後に要望なんですけども、
令和元年台風のときに県のほうで支援をするということが決まって、それは大変ありがたいことなんですが、その時点で
収入保険の加入は千葉県が非常に低いので進めていきましょうという話があったと思います。あれから3年たって、今、県の
収入保険の
加入率を見ますと、まだまだ全国的にも低い状況で改善の余地がありますし、またこれを同時に進めていかなければならないというふうに、こういう災害があると特に気づかされるわけですが、やはりいつ災害が、どんな時期でも起こり得る現状ですので、やはりこの
収入保険の加入の促進というのは、
収入保険の
加入者が増えることも考えられますし、現在実施してる
保険料の
助成事業についても、やはり周知、広報をしっかりと行うように、要望に合わせた対応をぜひしていただいて、少しでも多くの方がこれに加入して、こうした被害があったときにでも安心できるような
体制づくりを県としてもぜひしていただきたいことを要望して終わります。
◯委員長(
小池正昭君) ほかにありますか。
林委員。
◯林
幹人委員 私からも関連して、
ひょう害に関する質問をさせていただきたいと思います。
梨の
ひょう害対策としまして、
多目的防災網が有効であるというふうに聞いております。今回の
降ひょうの際にも、
多目的防災網があったことで被害を免れたというお話も聞いておりまして、今後も県内に
ひょう害が発生する
可能性がある中では、本県の梨の産地を守るためには、農家に対して、この
多目的防災網の導入を推進していく必要があるというふうに改めて感じました。
そこでお伺いいたします。梨の
多目的防災網の導入に対しまして、どのような支援をしていくのかということでお願いします。
◯委員長(
小池正昭君)
森本生産振興課長。
◯説明者(
森本生産振興課長)
生産振興課でございます。
梨の
多目的防災網の導入につきましては、国や県の既存の事業であり、補助の対象として支援しているところでございます。今年度は既に募集を締め切ったところでございますが、今回の
ひょう害の発生を受けまして、追加で
要望調査を行うなど対応を検討してまいりたいと考えております。また、特に
防災網の
設置率が低い地域におきましては、
有効性を周知いたしまして、導入が進むよう積極的に働きかけてまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
◯委員長(
小池正昭君)
林委員。
◯林
幹人委員 今年度は既に募集を締め切ったということなんですけれども、今回の被害が発生したことで
防災意識がまた改めて高まって、
多目的防災網の導入を希望する農家が増えるということも見込まれますので、農家からの要望に応えるために、予算をしっかりと確保するようにお願いしたいと思います。
また、過去に導入した
多目的防災網の
老朽化が進んでしまって、本来の
防災効果が減少しているところがあるということも聞き及んでおります。日本一の産地を維持するためにも、支柱の補強と併せた
張り替えの支援の検討もぜひお願いしたいなというふうに思います。
次にもう1点、今回の
降ひょうにより梨の果実に傷ができてしまって、例年のように贈答品での販売が望めないと。そもそも
消費者に買ってもらえるか不安であると、販売について危惧する声が届いております。
そこでお伺いをします。被害を受けた農家が少しでも多くの収入を得られるよう、県においても被害を受けた農産物の販売を支援すべきと思いますが、いかがでしょうか。
◯委員長(
小池正昭君)
牧野流通販売課長。
◯説明者(
牧野流通販売課長)
流通販売課でございます。
被害の大きかった梨については、現在、
生育途上であり、果実の大きさで言いますと、直径三、四センチ程度と聞いております。今後、収穫までに、幸水では1か月程度、豊水では2か月程度あることから、その
生育状況を見守っていく必要がありますが、被災した農家を応援するため、
生産者団体やJA、地元市など
関係機関の意見を聞きながら、県が主催するイベントでの
販売支援や
量販店等での取扱いの
協力要請、ポスターやのぼりなど、農家が活用可能な
販売資材の提供などの支援を検討してまいります。また、
被害果実への影響が大きく、廃棄する果実が多い場合は
食品加工業者へ加工の活用について働きかけるなど、検討してまいります。
以上でございます。
◯委員長(
小池正昭君)
林委員。
◯林
幹人委員 ありがとうございます。今、御答弁いただいたように、小さい果実の段階で傷がついてしまうと、それが大きく育ったときには、さらにまた傷が広がってしまったり、やっぱり
商品価値が著しく低下するというふうに思われます。そういった中で影響が大きかった場合の廃棄に対する支援だとか、そういったところも盛り込んでいただけるということで感謝申し上げます。
最後、要望としまして、この梨以外の被害を受けた
農作物も含めまして、今後の対応について地元の農家、農協ですとか、あるいは
生産団体とよく連携していただいて、丁寧な支援を行っていただくように要望して終わります。
◯委員長(
小池正昭君) ほかにありますか。
鈴木委員。
◯鈴木和宏委員 私も同様に
降ひょう被害についてお伺いいたします。様々な
販売促進、また
施設復旧のための支援の策を今お話しいただきました。さらに、ちょっと加えて、過去発生した
降ひょう被害等に対しては、他の自治体の取組の中には、
自然災害による
緊急救済措置事業として
農作物の腐敗及び病害虫の発生など、2次
的被害の
防止対策に対して
補助金等を出すところもあるようです。
そこでお伺いしますが、
生産者の被害を
最小限にとどめるために、県はどのように支援していくのでしょう。
◯委員長(
小池正昭君)
石井担い手支援課長。
◯説明者(
石井担い手支援課長)
担い手支援課でございます。
被害を
最小限にとどめるための支援という御質問でございますが、6月3日の朝に
銚子気象台から
降ひょう等に関する
注意情報が発表されたことから、速やかに大雨と突風及び
降ひょうに対する
農作物の
技術対策について
農業事務所へ
情報提供するとともに、県のホームページ及び
フェイスブックに掲載しました。これらの
技術対策資料を活用して、
農業事務所では
農家巡回や
講習会により
薬剤散布などの
技術指導を行ったところです。さらに、被害の程度を鑑み、
ひょう害のあった梨に関する
技術対策資料を
農業事務所や全農千葉県本部に送付して、
薬剤散布や被害樹の管理などの対策の徹底を図っています。具体的な対策といたしまして、病気が発生しないよう速やかに薬剤を散布する、枝や幹に傷がある場合、損傷部に保護剤を塗る、被害程度に応じて摘果し着果量を調整する、水がたまった園では速やかに排水するなどでございます。
以上です。
◯委員長(
小池正昭君)
鈴木委員。
◯鈴木和宏委員 ありがとうございます。
最後に要望ですけど、
販売支援や収穫量確保に対する支援、それから
情報提供等、営農の意欲をそがないためにも、速やかにぜひ行っていただきますよう要望いたします。
以上です。
◯委員長(
小池正昭君) ほかにありますか。
竹内委員。
◯竹内圭司委員 先ほどの
林委員の
降ひょう被害での
多目的防災網の活用について、ちょっと詳しく聞きたいなと思いまして、そもそも
多目的防災網で、これは国の事業が入ってるんですかということと、それと何が守れて、農家にとって何が負担なのか。そして、今回の
降ひょう被害で
多目的防災網をやった方とやってない方でどれぐらいの差があるのかとか、もっと言えば、なぜ
多目的防災網をしてなかったのか。
降ひょうが来るとは思ってないからということが答えなんでしょうけど、その辺、ちょっと話してもらっていいですかね。あまり知られてないんですけど。
◯委員長(
小池正昭君)
森本生産振興課長。
◯説明者(
森本生産振興課長)
生産振興課でございます。
まず、
防災網の導入に対する国の事業と県の事業でございますけども、国の事業で産地生産基盤パワーアップ事業という組み替えられた事業がございまして、ここで産地計画に位置づけられた担い手とされるものに対して設置する補助事業がございます。あわせて、県で「輝け!ちばの園芸」次世代産地整備支援事業ということがございまして、これは日頃よく使われる事業なんですが、こういったものでも整備できるようになっているところです。
続いて、
多目的防災網の効果でございますけども、今回顕著なのは、
ひょうの被害のようなものは、網の目が細かいので園の中に入ってこないということで、一番効果があるものは
ひょうの被害だというふうに認識してます。あわせて、カメムシの侵入を防いだり、また、当然鳥がついばむようなところも防ぐと。あと防風の効果というのもございますので、かなり効果の高いものでございます。
あと、あわせて、なぜこれが入ってこなかったかという御質問あったかと思うんですが、やはりこれら、効果すごく高いんですけども、非常に導入費用がかかるということと、併せて収穫後に網を撤去したり、また設置したりという労力の手間というところも一つネックになっているというところはございますが、一番大きな原因は、以前、梨の被害があったかどうかというところで、地域によって、やっぱり
ひょう害を受けたところについては、かなり
設置率が、ほぼ100%近くのところはございますが、やはり影響を受けてないところはなかなか導入が進んでいないという状況でございます。
以上でございます。
◯委員長(
小池正昭君)
竹内委員。
◯竹内圭司委員 すみません、詳しくありがとうございます。とするならば、細かい網の目で今回の
降ひょうでも効果があったということで、この経験値から、今回被害が、先ほど副
委員長からも、2割ぐらい梨とかあったわけですよね。ぜひとも、手間はかかるんですけども、また
降ひょう来るかもしれませんので、こういう
多目的防災網も導入コスト、手間、採算合うかどうなのか分からないんですけど、補助事業を活用すればうまくいけますよということをもうちょっとアピールしてもらって、農業被害をできるだけ少なくするようお願いしたいと思っております。
もう1つ、ちょっと関連なんですけども、手間の中で、最後は後片づけみたいなのでも非常に、何か剥がして焼却するんですか。どういうことで農家さんが嫌がってるんですか、それ。
◯委員長(
小池正昭君)
森本生産振興課長。
◯説明者(
森本生産振興課長)
生産振興課でございます。
収穫時は当然張るんですけども、収穫後は網を外すと。そのところの手間というところが、やっぱり高さもあって、かなり人手間も必要ということもございますので、やっぱりそこが労力がかかるというふうに聞いております。
(竹内圭司委員、「高さがあるわけですね」と呼ぶ)
◯説明者(
森本生産振興課長) はい。
(竹内圭司委員、「分かりました。ありがとうございました」と呼ぶ)
◯委員長(
小池正昭君) ほかに。
西尾委員。
◯西尾憲一委員 新規就農者の確保は日本農業の課題の1つですが、イチゴ栽培というのは新規就農者にとっても魅力ある分野ではなかろうかと思います。それで、先日新聞を読んでいましたら、栃木県ではイチゴの生産から販売までを学べる教室といいますか、研修制度ができたということが載っておりました。本県でも、例えば私の船橋市でも何件かイチゴをつくってる農家があるんですけども、県内のイチゴ栽培農家数や面積が栃木県に劣らずあるようでしたら、県内でも同様に、そういうイチゴの生産から販売まで学べる、そういう教室を設けてよいのではないかと思っているんですが、いかがでしょうか。
◯委員長(
小池正昭君)
石井担い手支援課長。
◯説明者(
石井担い手支援課長)
担い手支援課です。
イチゴの学べる教室を設置したらいかがかというような御質問だったと思うんですけども、本県はイチゴ栽培面積や経営体数もそこそこあるんですけども、栃木県に比べますと、やはり数字的には小さいところです。一方で、千葉県内にはイチゴ以外にも多様な野菜が栽培されておりますので、県立の農業大学校では各種野菜の生産技術、あるいは流通マーケティングなど、トータル的に学べるようにカリキュラムを用意して、当然、その中でイチゴについても学べるように対応してるところです。したがいまして、イチゴに特化した専門の教室を設けるというような考えは持ってございません。
以上です。
◯委員長(
小池正昭君) 西尾委員。
◯西尾憲一委員 ありがとうございます。たしか2月議会のこの常任
委員会だったと思うんですけども、チーバベリーの
生産額というか、関わってる農家数といいますか、面積といいますか、それが何か1%程度だということを伺ったんですよね。県はチーバベリーを育てていく考えがあるのかないのか、それとも打ち切ってしまうのかという点をどのように考えてらっしゃるのか、伺いたいと思います。
◯委員長(
小池正昭君)
森本生産振興課長。
◯説明者(
森本生産振興課長)
生産振興課でございます。
委員御指摘のとおり、チーバベリーというものが比較的面積減少しているというところで、一方で、市場の中でもチーバベリー取り扱いたいというようなことで高評価いただいてるところがございます。また、チーバベリーというのは、比較的、普通の一般のイチゴの温度帯より若干低めで栽培できるという特性ございますので、まさに今、燃油が高騰している中で生産コストを落としていく1つの品種だというふうに思ってますので、こういった機に、当然、販売先というものもしっかりつくりながら進めていく必要もあるんですが、
生産者のほうにもそういったところを訴えて生産拡大を広げていきたいというふうに考えております。
以上でございます。
◯委員長(
小池正昭君) 西尾委員。
◯西尾憲一委員 あくまでも私の個人的な感想なんですけども、チーバベリーを食べたことがあるんですけども、ちょっとやっぱり甘味に欠けるというか、大きさもさほど大きくないですよね。
消費者はやっぱり、どちらかといえば甘くて大きいものを望んでいるような印象を受けるんですけども、その点はどうですかね。そういう方向でこれからも改良を加えていくとか、そういうお考えはあるんでしょうか。
◯委員長(
小池正昭君)
森本生産振興課長。
◯説明者(
森本生産振興課長)
生産振興課でございます。
やはり品種の特性、しっかりした大粒で甘いというつくり方がございますので、その辺、栽培
講習会等を開きながら、しっかり技術的なものをお伝えしながら普及させていきたいというふうに考えております。
以上です。
(西尾憲一委員、「ありがとうございます」と呼ぶ)
◯委員長(
小池正昭君) ほかにありますか。
木下委員。
◯木下敬二委員 アワビの水揚げ状況について聞きたいんですけども、非常に今年のアワビは、私が浜値で聞いてる限り、今までになく高いと。非常に高いと、そういう状況を聞いておるんですが、実際はどうなんだろう。
◯委員長(
小池正昭君) 石黒漁業資源課長。
◯説明者(石黒漁業資源課長) 漁業資源課でございます。
今年のアワビの水揚げ状況ですけれども、主要6漁協に確認したところ、5月末までの水揚げ量で11トン、水揚げ金額は1億8,400万円、あと平均単価につきましては、1キログラム当たり1万6,300円ということになっております。浜値でこの値段ということになります。このうち水揚げ量ですけれども、平年並みということですけれども、単価が平年と比べて5割高いという状況で、水揚げ金額が平年の5割増しと、
生産者にとってみれば喜ばしい状況となっております。
単価が上昇した要因ですけれども、ほかの産地の水揚げは不調であるということと、あと中国向けの干しアワビの需要が増加したためということを聞いております。
以上です。
◯委員長(
小池正昭君) 木下委員。
◯木下敬二委員 中国で乾鮑が高いということは、
生産者、海女にとっては大変いいことで、5割増しで恐らく、うちのほうの安房地域で一番潜って稼ぐ人の額は多分5割増しぐらい、やっぱりいくだろうなということを、聞いたところ言ってました。今年は期待してるよと、そういう話は海女さんもしてます。
ただ、もう1つ、だから浜が今大変活気づいてるんですよ、アワビで。これはいい部分なんですけども、それに比例してどうなんですか、種苗の生産状況は。
◯委員長(
小池正昭君) 石黒漁業資源課長。
◯説明者(石黒漁業資源課長) 漁業資源課でございます。
県では、放流用に年間160万個のアワビ種苗を生産しておりますけれども、令和2年度は原因不明のへい死が発生したために生産数が95万個ということで計画未達になりました。そこで、アワビ種苗生産を委託しております水産振興公社と連携しまして、水槽掃除の徹底や飼育水の注水量の増加など、生き残りの向上を図る取組を各種進めたところ、令和3年度の生産数は102万個となり、若干の改善が見られたところでございます。今年度ですけれども、さらに作業人員の補充ですとか、あと飼育資材の更新などによりまして、飼育環境のより一層の向上に努めておりまして、現時点、まだ生産途中でありますけれども、生産が良好であった平年並みの稚貝を確保してる状況にございます。今後も生き残りのさらなる向上、改善に努めまして、アワビ種苗の安定生産につなげてまいりたいというふうに考えております。
◯委員長(
小池正昭君) 木下委員。
◯木下敬二委員 本当に生の海女さんの声を聞くと、やっぱりそこを大変注目してるんですよね。過去2年、量的に落ちてきたと。当然落ちるということは、放流をしなければ育っていかないと。輪採等々やってても、3年が4年になって、延びた分だけ大きくなるんだろうけども、数が増えないということが、これはやっぱり致命的なことなので、種苗生産も含めてアワビの安定的な放流、そして藻場の保全、これが大変重要なことですから、藻場の保全も今後しっかりと支援をお願いしたい。よろしくお願いをいたします。
それと、
栽培漁業基本計画についてということなんですけども、アワビ資源は今言ったように、種苗放流によって下支えされている部分が大いにあるわけですよ。それは御理解いただけたのかなということで、その資源の
維持増大に寄与しているその種苗は、先ほど言ったようにしっかり取り組んでいただくんですけども、
栽培漁業について、諸般の報告の中で、第8次
栽培漁業基本計画を策定し、新たにトラ
フグを対象種に加えたということがありました。新たに対象種となったトラ
フグについては今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせを願いたいと思います。
◯委員長(
小池正昭君) 石黒漁業資源課長。
◯説明者(石黒漁業資源課長) 漁業資源課でございます。
トラ
フグは皆さん御存じのとおり高級魚でございまして、高い収益が見込めるため、漁業者からの要望が高い魚種となっております。そこで県では、平成29年度から基礎的な種苗生産技術の開発ですとか試験放流に取り組んだところ、基礎的な技術が確立されるとともに放流効果が高かったということで、今般の計画で対象種に加えたところです。今年度ですけれども、新たに導入する手法で標識した8,000尾の種苗を試験放流するなど、種苗を量産する技術ですとか放流効果を向上させる技術の開発に取り組むとともに、あと種苗生産施設の再編整備に向けて、今、設計を進めてまいりたいというところでございます。
以上です。
◯委員長(
小池正昭君) 木下委員。
◯木下敬二委員 技術開発を進めて、ぜひ量産の規模を上げて放流をしていただきたいと。それでアワビなどに続く
栽培漁業対象種として、皆さんの力で育て上げていってほしいということをお願いをいたします。
もう1点、すみません、今年のビワ、再度担当課にお聞きしたいんですけど、今、どっちかというと、ビワはハウスビワが出て、1か月ぐらいしてから露地ビワが出てくるというような状況なんですけど、大変露地ビワが不作だと。房総台風等々の諸問題がずっと重なってきて、苗木、予算もらって植え替えたりしたところもありますけれども、一応、生産農家としては大変厳しいと。絶対量がないということで、今後の大きな眼目として、生産のあれについては、課としてしっかりと捉えているのかどうか。その辺をお聞かせ願いたい。
◯委員長(
小池正昭君)
森本生産振興課長。
◯説明者(
森本生産振興課長)
生産振興課でございます。
ビワにつきましては、大きな災害を受けたところでございますが、
生産者の皆さん、その辺、一致団結していただいて、今担い手ができてきて、ある程度被害があった樹園地も整備できた中で、担い手の集積、集約というところを今しっかり進めて、現地でも進めていただいているところです。
そうした中で、また新たに新規で参入していただいてビワを始めたいと言っていらっしゃる方もいるので、そこはしっかりしながら、高齢化する中で人は減っていくこともありますが、ビワの農地を集約しながら、どんどん新しい人も入れる取組を
農業事務所を含めて一緒にやっておりますので、その辺、人の確保をしていきたいなというふうに考えております。
あわせて、これはなかなか進むのが難しいとは思うんですが、やはり施設化というところも一つ大きく考えなきゃ駄目だなと。安定生産には施設化が必要だと思ってますので、これは産地とお話ししながら、もう少し安定的に生産するためには施設化の推進というものの働きかけを強く行いたいというふうに考えております。
◯委員長(
小池正昭君) 木下委員。
◯木下敬二委員 例えば暖地園芸なんかだと、出荷のピーク時はこの日だと。例えば6月10日が一番出荷する量が多くなりますよ。そういうことが現実に分かってきていて、そういう有利な部分も県の努力によってできてきているわけなので、もうちょっと活力のある産業としてひとつお力添えをいただいて、いわゆる南房総のビワが、やっぱり天皇、皇后、上皇も含めて、献上ビワとしてこれからも生きていけるという点について十分なお力添えをお願いをして、私の要望を終わります。どうもありがとう。
◯委員長(
小池正昭君) ほかに。
(木下敬二委員、「じゃ、いいですか」と呼ぶ)
◯委員長(
小池正昭君) はい、どうぞ。
◯木下敬二委員 ちょっと、2月議会でいろんなことございまして、議員の皆様の御意見も拝聴して、
竹内委員等々からは議会軽視も甚だしいじゃないかというような意見もいただいて、一応、
農林水産部長のほうからは、白紙撤回をさせていただくということがございましたので、御報告だけ皆様にさせていただいて、共にこの
委員会として、畜産の在り方について今後も議論をしていきたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
◯委員長(
小池正昭君) ほかにございますか。
(「なし」と呼ぶ者あり)
◯委員長(
小池正昭君) ないようですので、以上で諸般の報告・その他に対する質問を終結します。
─────────────────────────────
委員長報告
◯委員長(
小池正昭君) 次に、特に
委員長報告すべき事項がありましたら御発言願います。
(「なし」と呼ぶ者あり)
◯委員長(
小池正昭君) 特に御意見ないようですので、
委員長報告につきましては正副
委員長に一任願います。
─────────────────────────────
委員の派遣
◯委員長(
小池正昭君) 次に、委員の派遣についてお諮りいたします。
本日の
委員会終了後、水田を利用した子実用トウモロコシの栽培状況及び国営総合農地防災事業手賀沼地区における排水機場等の更新整備に関する調査のため、委員の派遣を行いたいと思いますが、御異議ありませんか。
(「異議なし」と呼ぶ者あり)
◯委員長(
小池正昭君) それでは、そのように決定します。
なお、詳細については正副
委員長に一任願います。
─────────────────────────────
閉 会
◯委員長(
小池正昭君) 以上で
農林水産常任委員会を閉会します。
午前10時52分閉会
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